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ポートフォリオ資産配分リバランス計算例

ポートフォリオの作り方|資金の分別・下落額・リバランスの計算例

資産配分を決める前に、「使う予定のお金を除いたらいくら残るか」「その残高が下がると何円減るか」を計算します。本記事の金額・配分・下落率はすべて架空の説明例です。年齢別のおすすめ比率や将来の最大損失を示すものではありません。

まず、投資に回す前のお金を分ける

現預金500万円の架空の家計を考えます。生活の予備費として150万円、2年後の学費として100万円を別に確保すると、残りは 500−150−100=250万円です。

区分 金額 この例での目的
生活の予備費 150万円 失業・修理などへの備え
予定資金 100万円 2年後の学費
残り 250万円 この後で運用を検討する範囲

150万円という金額自体に安全基準はありません。家族構成、固定費、収入、保険などで必要額は違います。また、残った250万円をすべて投資する結論にもなりません。ここからさらに運用中の現金比率を考えます。

資産配分は、資金の使用時期や損失を引き受けられる程度で変わります。Investor.govの資産配分の解説

250万円の配分を、下落額に直す

例として株式150万円、債券50万円、現金50万円とします。「株式60%・債券20%・現金20%」は、先ほどの250万円に対する割合です。生活予備費と学費も含めた家計全体500万円に対しては、株式30%・債券10%・現金等60%になります。

比率を書くときは、何を分母にしたかも記録してください。

次のシナリオは計算のために設定したもので、発生確率や過去の最悪値ではありません。税、利息、分配金、追加投資、手数料を除きます。

保有資産 元の金額 シナリオAの変化率 Aの増減額 シナリオBの変化率 Bの増減額
株式 150万円 −30% −45万円 −50% −75万円
債券 50万円 −10% −5万円 −15% −7.5万円
現金 50万円 0% 0万円 0% 0万円
合計 250万円 −50万円 −82.5万円

Aでは200万円、Bでは167.5万円が残ります。元の250万円に対する下落率はそれぞれ20%と33%です。株式と債券が同時に下がる仮定なので、債券を入れれば必ず相殺される表にはしていません。

「82.5万円減っても近い支払いに支障がないか」「減収も同時に起きたらどうか」を金額で考えます。長期保有なら元に戻る、と自動的に補ってはいけません。

本数ではなく中身を足し合わせる

個別株1社に50万円を配分し、その株だけが40%下がれば、他資産が変わらない仮定で20万円の損失です。配分が10万円なら同じ下落率で4万円の損失になります。

ただし、5社に分けても同じ業種なら共通要因への集中が残ります。会社固有リスクの分散と、業種の分散は別です。金融庁の分散投資の説明

ファンドも同様です。架空のファンドAを100万円保有し、その60%が米国株、ファンドBを50万円保有し、その100%が米国株とすると、米国株への配分額は 100×60%+50×100%=110万円です。ファンド2本合計150万円に対する米国株比率は約73.33%になります。

この構成比は現実のファンドの最新値ではありません。実際には同じ基準日の月次報告書で地域や銘柄の構成を調べます。円で買える投資信託でも、投資先が外貨資産なら為替の影響があり得るため、表示通貨だけで分類しません。

リバランスは「売る場合」と「入金する場合」を別計算にする

独立した小さな例として、株式60万円・現金40万円、計100万円の配分を考えます。株式だけが20%上がると株式72万円・現金40万円、合計112万円。株式比率は72÷112=**約64.29%**です。

当初の60%に戻す計算には、次の2通りがあります。

方法 計算 調整後
一部売却する 112×60%=67.2万円を株式目標額とし、72−67.2=4.8万円を売却 株式67.2・現金44.8、合計112万円
外から現金を追加する 72÷60%=120万円が必要な総額。120−112=8万円を追加入金 株式72・現金48、合計120万円

どちらも税・費用を除く説明用の計算です。追加入金は別の家計資金を8万円使うため、売却と同じ条件の方法ではありません。既に集計した現金を別口座から移すだけでは、家計全体の現金は増えません。

配当を使って調整する場合も、受取現金が集計済みかを確かめます。保有資産の中で生じた配当を「外からの新規資金」と二重計上しないようにします。

売却には税や手数料が生じる場合があります。NISAでは課税口座と損失を通算できず、売却後の枠にも制度上の扱いがあるため、注文前に口座条件を確認します。国税庁のNISA制度

売却や見直しを、記録できる条件にする

「値上がりしたから売る」「買値に戻るまで待つ」だけでは、資金目的が抜けます。次は上の小さな例についての記入済みメモです。比率・点検頻度は推奨値ではありません。

項目 この例での記入
集計範囲 運用用の株式・現金。予備費と学費は別管理
当初配分 株式60%・現金40%
現在 株式72万円・現金40万円、株式約64.29%
見直す理由 値上がりで比率が変化。資金の使途は変更なし
比較した方法 4.8万円売却/外から8万円入金/今回は調整しない
注文前の未確認事項 売却税・手数料、8万円を用意できるか、口座の枠
再確認する機会 定期点検日、減収や使用予定の変更が起きたとき

機械的な損切り・利確率を決めても、その価格での売却や損失上限は保証されません。個別株なら、購入理由として記録した業績・事業環境が変わっていないかも確認します。「手順を決めること」と「結果が必ず改善すること」は別です。

自分の表を作るときの順番

  1. 予備費・予定資金・運用対象を重複なく書く。
  2. 全資産と運用対象のどちらの比率なのか明記する。
  3. 同じ基準日の時価で、銘柄・資産・地域の重複を集計する。
  4. 複数の下落幅を金額に直し、支払いと家計の変化を重ねて考える。
  5. 調整前に、税・費用・口座制約と使途の変更を確認する。

資産配分・集中度チェックは配分を可視化する補助として使えます。ただし、ツールの分類・モデルの前提を読み、個別銘柄やファンド内部の重複を自動的に精査済みとは扱わないでください。

確認問題

株式80万円・現金20万円から、株式だけが25%下がるとどうなるでしょうか。

株式は60万円、合計80万円になり、全体の下落率は20%、下落後の株式比率は60÷80=**75%**です。「株式が25%下落」「全体が20%下落」「株式比率が75%」は違う数字です。この3つを区別して記録すると、見直し時の混乱を減らせます。

本記事は資産配分の計算教材です。例示配分・点検方法は個人への推奨ではなく、分散・リバランスでも元本割れや複数資産の同時下落は生じます。

※ 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却を勧誘するものではありません。 投資判断はご自身の責任で行ってください。