株式の収益には値上がり益と配当がありますが、配当・優待は企業判断で減額・廃止される場合があります。
今回の Vol.9 では、配当、連続増配、優待、再投資の仕組みとリスクを整理します。
Part1 インカムとキャピタルの違い
利益には、2つの源があります。
ひとつは、株価の値上がりで得る「キャピタルゲイン」。もうひとつは、配当や優待などで継続的に受け取る「インカムゲイン」です。
値上がり益は売却時に確定します。配当・優待は権利条件を満たした場合に受け取れますが、金額・内容・継続は保証されません。
両者を組み合わせても、株価下落が配当額を上回る場合や、停滞期に減配される場合があります。総合収益で確認します。
Part2 高配当株のメリットと落とし穴
高配当株は、市場や比較対象に対して配当利回りが相対的に高い銘柄を指す一般的な呼称です。安定した受け取りを保証する分類ではありません。
ただし、利回りが高いのには理由があることも忘れてはいけません。
たとえば、株価が下落して、見かけ上の利回りが高くなっているだけの場合。あるいは、業績が悪化して、将来の減配リスクを抱えている場合です。
配当性向、キャッシュフロー、財務、減配実績を確認し、値上がり益を含む総合収益で比較します。
Part3 連続増配株という考え方
毎年、配当を増やし続けている企業を「連続増配株」と呼びます。
連続増配は過去の実績であり、利益成長や今後の増配を保証しません。借入や配当性向の上昇を伴っていないかも確認します。
ここで面白いのが、今の利回りは高くなくても、増配が続けば「自分の買値に対する利回り」は年々上がっていくという点です。
現在利回りと増配実績のどちらか一方で判断せず、配当の原資と財務余力を確認します。
Part4 株主優待を楽しむ
日本株ならではの魅力が、株主優待です。
一定数の株を持つと、自社製品や割引券、クオカードなどがもらえる制度で、生活に密着した楽しみになります。
ただし、優待はあくまで企業の任意。廃止されたり、内容が改悪されたりすることもあります。
優待の金銭価値だけでなく、購入価格、配当、事業、廃止リスクを含む総合収益で比較します。
Part5 インデックス投資との併用
インデックス投資を併用する方法もありますが、市場全体の下落や投資対象の重複は残ります。
インデックス商品は特定指数への連動を目指します。費用、指数の投資対象、集中度、連動状況は商品ごとに異なります。
インデックスと個別株の比率に一律の推奨はありません。保有資産全体の重複、目的、使用時期、許容損失で検討します。
Part6 受け取りを再投資する力
配当や分配金は受け取るか再投資できます。再投資すると投資元本は増えますが、再投資先の価格下落や減配リスクも増えます。
受け取った配当で追加購入すると、保有口数は増えます。次回配当と資産額が増えるかは、配当方針と価格に左右されます。
受取と再投資のどちらが適するかは、生活費の必要性、税・費用、資金目的で変わります。
Part7 まとめと次の一歩
配当、連続増配、優待、インデックス、再投資のいずれも将来成果を保証しません。各商品の投資対象、費用、税、集中度を比較します。
目的、使用時期、家計、許容損失が変わったときは運用方針を見直します。
次回はいよいよ最終回、Vol.10。「続けるしくみと、よくある失敗の回避」をテーマに、シリーズ全体を総まとめします。どうぞお楽しみに!
[免責] 本記事は教育・情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却・保有を推奨または勧誘するものではありません。本文中の数値・試算は記載条件に基づく概算で、将来の運用成果、配当、価格回復または元本を保証しません。制度・税制は変更される場合があります。最新の公式情報を確認し、投資判断はご自身の責任で行ってください。