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市場動向決算振り返り上級者向け

先週(7/22-24)株式材料振り返り|ディスコ急落・CPI

先週(2026年7月22〜24日)に予定されていた主要4材料について、実際に公表された事実をまとめます。ディスコ(6146)は4-6月期純利益が前期比+44%と増収増益の数値を出しながら、7-9月期ガイダンスが市場予想平均を大幅に下回り、株価が一時12.7%安と急落しました。6月全国コアCPIは前年同月比+1.6%(5月+1.4%から0.2ポイント上昇)。最低賃金の目安額は7/23の審議で結論に至らず、7/27時点で未確定です。

本稿の情報は2026年7月27日時点です。相場の動きは複数要因が絡み合うため、本稿に記載の事実と数値を特定銘柄の売買判断に用いないでください。


ディスコ(6146)決算(7/23):増収増益でも次Q見通しが市場期待を下回り急落

結論: ディスコは4-6月期として増収増益の数値を公表しましたが、7-9月期(第2四半期)単独の純利益見通しが市場予想の平均を大幅に下回ったとして株価が急落しました。「好決算=株価上昇」とならない事例として記録しておく価値があります。

実際に公表された数値

項目 数値
4-6月期(Q1)連結純利益 342億円(前期比 +44%)
上期(4-9月)売上高見通し 2,428億円(前期比 +24.8%)
上期(4-9月)営業利益見通し 1,049億円(前期比 +33.0%)
上期(4-9月)純利益見通し 738億円(前期比 +32.0%)
7-9月期(Q2)純利益見通し 395億円
市場予想平均(7-9月期純利益) 約473億円
7/23発表後の株価の動き 一時12.7%安

出典: 日本経済新聞「ディスコ株価、一時12.7%安 26年7〜9月純利益が市場予想下回る」BigGo Finance「ディスコ急落、一時12.7%安 7~9月期純利益395億円が市場予想届かず」(2026年7月27日確認)

「増収増益でも急落」——なぜ起きるか

この事例が示すのは、「実績の良し悪し」と「株価の方向」が同義ではないということです。株価は多くの場合、将来の業績に対する期待値をある程度先取りして形成されています。

今回のディスコの場合、Q1の実績は増収増益でしたが、次のQ2の会社ガイダンス(395億円)が、市場が事前に想定していた水準(約473億円)を大きく下回りました。実績が良くても、次の期の見通しが事前期待に届かなければ売られることがある——という構造を示す事例です。

なお、株価下落の原因は単一とは限りません。同日・前後の市場全体の動きや他の要因も複合的に絡みます。「ガイダンス単独が原因」とは断定できない点はご留意ください。

決算の読み方の基本は成長株で確認したい指標銘柄分析マスター講座①で整理しています。


最低賃金審議(7/23):目安額は7/27時点でも未確定

結論: 7月23日の第4回小委員会で労働者側が初めて具体的な引き上げ水準を提示しましたが、使用者側との溝は埋まらず、7月27日の第5回小委員会に持ち越されました。2026年7月27日時点で最低賃金の目安額は未確定です。

実際に公表された事実

  • 労働者側委員が提示した水準: 現行の全国加重平均1,121円から75円の引き上げ(引き上げ後1,196円相当)
  • 使用者側との溝が埋まらず、第4回では結論に至らず
  • 7月27日に第5回小委員会を持ち越し(2026年7月27日時点で目安額は未確定)

出典: taxlabor.com「2026年度最低賃金はいくら?いつ決まる?(速報・随時更新)」CIVIC AI「最低賃金2026年度はいくら?」(2026年7月27日確認)

最低賃金の引き上げは人件費コストと消費需要の両面に関わります。企業ごとの影響は、アルバイト比率・売上高人件費率・価格転嫁力・省人化投資の状況によって異なります。目安額が確定した際は、都道府県別の審議と発効日も続けて確認してください。


全国CPI 6月分(7/24):コアCPI+1.6%(前年同月比)

結論: 6月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合=コアCPI)は前年同月比+1.6%。5月の+1.4%から0.2ポイント上昇し、5か月連続で1%台が続いています。

実際に公表された数値

指標 2026年6月(前年同月比) 2026年5月(参考)
総合(生鮮食品含む) 公表済み(内訳は一次資料参照)
コアCPI(生鮮食品除く) +1.6% +1.4%

出典: 日本経済新聞「6月の消費者物価、1.6%上昇 5カ月連続2%割れ」Yahoo!ファイナンス「【指標】6月全国CPI(生鮮食料品除く総合)(前年比)+1.6%」総務省(一次資料)「2020年基準 消費者物価指数 全国 2026年(令和8年)6月分」(2026年7月27日確認)

複数のシンクタンクがエネルギー価格の下落率縮小と診療代の上昇を押し上げ要因として報じています。コメを含む生鮮食品・食料品価格も引き続き上昇傾向と報じられています。コアCPIの数値は日銀の金融政策判断にも参照されますが、「この数値が金融政策を決定した」という単一因果の断定はできません。内訳は総務省の一次資料で確認してください。


アルファベット・テスラ決算と7/24の日本市場の動き

結論: 米国2社の決算は増収でも課題が示され、7/24の日経平均は前日比▲1,811.45円(▲2.73%)の64,611.15円で引けました。相場には複数の要因が絡むため、特定の要因だけを原因として断定できない点に注意が必要です。

実際に公表された数値

テスラ(7/22現地発表)

項目 数値
売上高(Q2) 約282億ドル(前年同期比 +26%)
フリーキャッシュフロー 約マイナス11億ドル(約2年ぶりの赤字)
発表後の時間外取引での株価の動き 4%程度の下落

アルファベット(7/22現地発表)

項目 内容
Google Cloud 急成長を報告し、AI投資が売上につながる面を示した
懸念点 AIインフラへの設備投資急増によるフリーキャッシュフローへの影響が複数の報道で指摘
発表後の時間外取引での株価の動き 3%超の下落

7/24(金)の日本市場

指標 数値
日経平均終値 64,611.15円
前日比 ▲1,811.45円(▲2.73%)
ドル円(概算) 163.76〜163.78円台

出典: Investing.com「テスラ株、四半期利益が予想を下回り時間外取引で下落」evcafe.jp「テスラ、2026年Q2決算発表。売上高26%増」KABU Lab「2026年07月24日の日経平均見通し」(2026年7月27日確認)

7/24の日経平均の急落については、前日までの米ハイテク株安の流れが波及したと複数のメディアが報じています。ただし、相場の動きは為替・先物・外国人投資家動向など複数の要因が絡み合います。特定の決算が原因で日経平均が動いたと断定するものではありません。

骨太の方針2026(7/21閣議決定)について

7月21日に閣議決定された骨太の方針2026では、AI・半導体等17戦略分野に2040年度まで370兆円超の官民投資目安(半導体68兆円等)が示されました(出典: 内閣府「経済財政運営と改革の基本方針2026」)。これは「政策の骨格が公表された」という事実であり、個別企業への業績反映の時期と程度はその後の予算執行・受注動向を確認する必要があります。


今週(7/28-8/1)は「ダブル金融政策」×決算集中

今週は FOMC(7/28-29)と日銀金融政策決定会合(7/30-31)が同週に重なる「ダブルの金融政策イベント」に加え、アドバンテスト(7/29)・東京エレクトロン(7/30)・キオクシアHD(7/31)の国内半導体・AI大手3社と、マイクロソフト・メタ(7/29)・アップル・アマゾン(7/30)の米Big Tech4社の決算が集中します。

詳細な材料カレンダー・確認経路・企業分析の落とし方は、別稿でまとめています。

2026年7月28日週の株式材料——詳細はこちら


振り返りから次の確認事項へ(チェックリスト)

先週の材料から導かれる確認事項をまとめます。これは投資判断の推奨ではなく、情報を整理するための観点です。

決算を読む上での教育的ポイント

  • 増収増益の実績でも、次の期のガイダンスが市場の事前期待を下回ると株価が急落することがある(ディスコの事例)
  • 「好決算=株価上昇」「悪決算=株価下落」は成り立たない場合がある
  • 株価の反応は実績ではなく「実績と事前期待の差分」に対して生じることが多い

今週に向けたチェックリスト

  • FOMC(7/29)の声明文・FF金利の決定と、パウエル議長会見の内容を一次資料で確認したか
  • 日銀(7/31)の声明文・展望レポート・植田総裁会見の内容を確認したか
  • 国内半導体大手(アドバンテスト・東エレク・キオクシア)の決算で、ガイダンスと市場予想の差を確認したか
  • 最低賃金の目安額が7/27の第5回小委員会で確定したか確認したか
  • 財務省貿易統計(7/30)と米GDP速報(7/30)の数値を一次資料で確認したか

決算の読み方の詳細は銘柄分析マスター講座①銘柄分析マスター講座②で体系的に整理しています。ポートフォリオ全体の偏りを確認したい場合はポートフォリオ診断もご活用ください。


よくある質問(FAQ)

Q1. ディスコの株価急落は、半導体テーマ全体の終わりを意味していますか?

A. 1社の決算結果から「テーマ全体の終わり」を結論づけることはできません。半導体関連の各社は製品・顧客・用途・生産工程が異なります。ディスコの事例は「ガイダンスと市場期待の乖離が株価に影響した事例」として記録し、他社については個別の決算・受注動向を個別に確認するのが基本です。

Q2. コアCPI+1.6%(前年同月比)とはどういう意味ですか?

A. コアCPI(生鮮食品を除く総合)は、価格変動の大きい生鮮食品の影響を除いた物価指標です。+1.6%は「1年前と比べてこの指標の水準が1.6%高い」ことを意味します。5月の+1.4%から0.2ポイント上昇した事実は確認できますが、この数値から企業業績や金融政策の方向を単純に断定することはできません。

Q3. 最低賃金の目安額はいつ確定しますか?

A. 2026年7月27日時点では未確定です。7月27日の第5回小委員会で議論が続いています。確定した際は厚生労働省・中央最低賃金審議会の公式ページで一次情報を確認してください。


まとめ

先週(7/22-24)の主な材料は、それぞれ以下の事実として記録できます。ディスコは増収増益でも次期ガイダンスが市場期待を下回り急落。最低賃金の目安額は7/27時点で未確定。コアCPIは+1.6%(前年比)。米大手2社の決算は増収ながら課題が報じられ、7/24の日経平均は▲1,811円の大幅安となりました。

今週の詳細は7/28週の株式材料まとめをご覧ください。企業分析の基礎は成長株で確認したい指標業界別株価指標でも整理しています。


出典・確認日(すべて2026年7月27日)


免責

[免責] 本記事は教育・情報提供を目的としており、特定銘柄や金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。記載の数値・事実は各出典の公表内容に基づきますが、情報の正確性・完全性を保証するものではありません。将来の業績・株価を保証するものではなく、記載内容は投資判断の根拠とならないものです。最新の一次情報をご確認のうえ、投資判断はご自身の責任で行ってください。

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※ 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却を勧誘するものではありません。 投資判断はご自身の責任で行ってください。