つみたて投資Lab
S&P500投資信託信託報酬新NISA積立

S&P500投信の信託報酬等比較|約0.0168ポイント差を試算

結論:公表料率の単純差が年約0.0168ポイントとなるS&P500投信2本を、費用控除前の運用収益率と積立条件をそろえて試算すると、月3万円・30年・年5%の仮定では最終額の差は約7.6万円でした。試算ではSBI側を年0.0938%と仮置きしています。これは費用差だけの概算で、商品の優劣を示しません。

金融庁のつみたて投資枠対象商品一覧は2026年8月18日に更新されています。商品や費用率は変わり得るため、本稿では2026年の最新目論見書(商品の仕組み・費用・リスクを記した法定書面)で公表料率を確認し、同じ仮定条件を置いた比較モデルで影響を試算しました。

先に確認したい7つの用語

用語 この記事での意味
信託報酬 投資信託の保有中、信託財産から日々差し引かれる運用管理費用
実質的な負担 ファンドの信託報酬に、投資先ETFの費用などを含めた公表上の負担
ETF 取引所で売買される投資信託
感応度 前提を1つ変えたとき、結果がどれだけ動くかを見る方法
複利 過去の運用損益も次の計算対象になる仕組み
トラッキング差 目標とする指数と実際の運用成績のずれ
目論見書 商品の仕組み・費用・リスクを記した法定書面

比較するのは「楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド」(以下、楽天・プラス)と「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」(以下、SBI・V)です。S&P500は、米国の主要大型株で構成される代表的な株価指数です。楽天は「S&P500インデックス(円換算ベース)」、SBIは「S&P500指数(配当込み、円換算ベース)」への連動を目指すと記載しています。いずれもS&P500を基にする指数への連動を目指しますが、目論見書上の指数表記・運用方式・費用定義は同一ではありません。比較モデルでは費用控除前収益率を同じと仮定しました。

先に結果:約0.0168ポイント差は30年で約7.6万円

結論は、月3万円・30年・費用控除前5%の仮定で、楽天・プラスが約2,461.5万円、SBI・Vが約2,453.9万円です。差は約7.6万円となりました。

楽天・プラスの信託報酬は年0.077%(税込)、SBI・Vの投資先ETFを含む実質的な負担は年0.0938%程度(税込)です。「程度」と公表されているため、単純差は年約0.0168ポイントと表します。「0.0168%増」という意味ではありません。試算ではSBI側を年0.0938%と仮置きし、楽天側の年0.077%との差を計算しました。

比較条件:費用控除前収益率をモデル上そろえる

結論は、指数表記や運用方式が異なる2本へ、比較モデル上は同じ費用控除前収益率を置き、本記事に掲載した公表費用だけを差し引いて費用差への感応度を確認します。実際の総費用を比べる試算ではありません。

本ページの計算モデルは、同じ入力なら同じ結果を返します。費用控除前の仮定年率から掲載した公表費用を引き、その年率で月末積立を複利計算します。

項目 設定
目論見書上の指数表記 楽天:S&P500インデックス(円換算ベース)/SBI:S&P500指数(配当込み、円換算ベース)
楽天・プラスの公表費用 年0.077%(税込)
SBI・Vの公表費用 実質的な負担 年0.0938%程度(税込)
公表料率の単純差 年約0.0168ポイント
費用控除前収益率 年3%または年5%と仮定
費用控除後の仮定年率 5%のケース:楽天 年4.923%/SBI 年4.9062%(SBI側を0.0938%と仮置き)
積立方法 初期投資0円、毎月末に一定額を積立
計算途中の丸め なし。表示時に0.1万円単位へ四捨五入

次の要素は試算に含めていません。

  • 信託報酬以外の監査費用、売買委託手数料などの「その他費用」
  • 指数と実際の運用成績のずれであるトラッキング差
  • 税金、為替変動、分配、ポイント還元、売買時の費用
  • 将来の商品条件や費用率の変更

したがって、これは公表料率の差だけを見るモデルであり、実際の総費用比較ではありません。実際の運用結果が表の順番になるとも限りません。

5条件の比較表

結論は、積立額と期間が大きくなるほど、年約0.0168ポイントの公表料率差でも円換算の差が広がる試算になりました。一方、10年では約0.4万円と小さく見えるため、期間をそろえて比べることが重要です。

条件 月額 期間 費用控除前収益率 累計元本 楽天・プラス最終額 SBI・V最終額 最終額の差
A 3万円 10年 年5% 360万円 463.9万円 463.5万円 0.4万円
B 3万円 20年 年5% 720万円 1,222.2万円 1,219.8万円 2.4万円
C 3万円 30年 年5% 1,080万円 2,461.5万円 2,453.9万円 7.6万円
D 10万円 30年 年5% 3,600万円 8,205.1万円 8,179.7万円 25.4万円
E 3万円 20年 年3% 720万円 976.7万円 974.9万円 1.8万円

すべて概算です。年3%・年5%は将来予測ではなく、条件比較のために置いた費用控除前の仮定です。

費用控除前の運用収益率5%から2本のS&P500投信の公表費用を差し引き、月3万円を30年積み立てた試算結果と約7.6万円の差を示す計算フロー

図は条件Cの計算順を示します。詳細な数値は上の比較表で確認できます。

結果の読み方:小さい料率差でも期間と金額で変わる

結論は、費用差の影響を判断するとき、料率だけでなく「いくらを、何年保有するか」までセットで見る必要があります。

10年から30年へ延ばした場合

月3万円・費用控除前5%では、10年の差は約0.4万円、20年は約2.4万円、30年は約7.6万円です。信託報酬は残高に対して継続的にかかるため、期間が長くなり残高が増えるほど、円換算の差も広がります。

水筒から毎日わずかに水が漏れる場面を想像すると分かりやすいでしょう。短期間では見えにくい差でも、水の量と日数が増えると合計差は大きくなります。ただし、投資では市場変動の影響が費用差より大きくなることがあります。

月3万円から月10万円へ増やした場合

30年・費用控除前5%では、月3万円の差が約7.6万円、月10万円では約25.4万円です。月額を約3.33倍にすると、最終額の差もおおむね同じ倍率で増えます。

費用控除前収益率を5%から3%へ変えた場合

月3万円・20年では、年5%の差が約2.4万円、年3%では約1.8万円です。費用率は同じでも、残高の増え方という仮定が変われば、円換算の差も変わります。

費用が低ければ実際の成績も必ず上になるわけではない

結論は、S&P500を基にする指数への連動を目指す商品でも、費用は比較項目の一つにすぎず、信託報酬だけで実際の成績や商品全体の優劣は決まりません。

今回の表は、比較モデル上の費用控除前収益率と積立条件を同じに置き、公表料率の差だけを取り出しています。実際には、指数表記、指数への連動のずれ、その他費用、運用方法、資金流出入などで結果が変わります。目論見書の信託報酬が低くても、将来の実績が必ず上になるとは限りません。

また、SBI・Vは投資先ETFの費用を含む「実質的な負担」、楽天・プラスはファンドの「信託報酬」として公表されています。表示項目の中身が完全に同じではないため、最新の目論見書と運用報告書で、その他費用も含めて確認する必要があります。

悪いケース:市場下落なら費用差にかかわらず元本割れする

結論は、市場の下落や円高などで運用収益率がマイナスになれば、費用差が小さくても両方が元本割れする可能性があります。NISAは税制優遇であり、元本保証ではありません。

当サイトのランキング画面で選べる費用控除前収益率は年3%・5%・7%です。負の収益率は入力できないため、この画面だけを見て「元本割れしない」と判断することはできません。

たとえば市場の値下がりが年率ベースで費用差を大きく上回る局面では、約0.0168ポイントの違いより資産価格の下落が結果を左右します。費用比較は、元本割れリスクを消す方法ではありません。

コスト比較ツールで自分の条件を確認する

結論は、目論見書の指数表記と費用定義を確認したうえで、積立額・期間・費用控除前収益率をモデル上そろえると、公表料率差の影響を自分の条件へ置き換えられます。

投資信託コスト比較では、費用控除前収益率を年3%・5%・7%から選び、毎月の積立額と期間を変えて試算できます。表示順は指定条件での機械計算で、商品の推奨順位や将来の成績予想ではありません。最終確認は各運用会社の最新資料で行ってください。

次に読む記事:インデックスファンドの選び方|費用・指数・運用条件を確認

よくある質問

結論は、信託報酬を「安いほど必ず有利」という一項目だけで見ず、指数、実質コスト、連動状況、リスクと一緒に確認することです。

Q. 信託報酬が低い商品を選べば、必ず成績が上になりますか?

いいえ。費用控除前収益率と積立条件をそろえ、公表料率だけを差し引く今回のモデルでは、費用が低い側の最終額が高くなります。しかし、実際にはその他費用や指数との連動差などがあるため、将来の成績は保証されません。

Q. 約0.0168ポイントに元本を掛ければ、費用差が分かりますか?

概算の初年度を見る手掛かりにはなりますが、長期の最終差とは一致しません。積立では残高が毎月変わり、差し引かれなかった費用分もその後の複利計算に影響するためです。

Q. NISAなら信託報酬はかかりませんか?

かかります。NISAは対象口座の売却益や配当・分配金を非課税にする制度ですが、投資信託の運用管理費用を無料にする制度ではありません。

Q. 実際の運用結果がこの記事の数値と違うのはなぜですか?

年3%・年5%を一定と置いた概算だからです。実際の収益率は日々変動し、為替、その他費用、指数との連動差、積立日なども結果に影響します。


情報確認日時:2026年8月28日 19:02(JST)

[免責] 本記事は教育・情報提供を目的とし、特定の金融商品の購入・売却・保有を推奨または勧誘するものではありません。試算は公表費用と仮定した一定の運用収益率に基づく概算で、実際の費用、運用成果、将来の収益、税制または元本を保証しません。投資には元本割れを含む損失の可能性があります。制度・商品条件は変更される場合があるため最新の公式資料を確認し、最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

参考資料

結論は、個別商品の費用は各運用会社の最新目論見書、NISA制度と対象商品は金融庁の最新資料で確認することです。

関連する一般公式確認先

以下は記事固有の出典ではありません。制度や数値の最新情報を確認するための一般的な公式サイトです。

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※ 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却を勧誘するものではありません。 投資判断はご自身の責任で行ってください。